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Jリートの投資対象ごとの特徴や賃料の安定性、オフィスビル、住宅、商業施設、物流施設、ホテル、ヘルスケア

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2018年現在、60銘柄を超えるJ-REIT(Jリート)が上場しています。

J-REIT(Jリート)にはオフィスビル、住宅、商業施設、物流施設、ホテル、ヘルスケアといった様々な投資対象があります。

現在の平均利回りは4%ほどです。

仮に、1000万円をJ-REIT(Jリート)に投資すると、年間40万円の配当を受け取れる計算になります。年間40万円ということは、月間3万3000円ほどです。

会社の月給が3万円上がるには数年の月日が必要になることでしょう。しかし、J-REIT(Jリート)に1000万円を投資することができれば、すぐに月の収入を3万円ほど増やすことができます。

会社の給料を上げる努力をするよりも、投資活動からの配当で総収入を増やすことを狙う方が利口だということは、以下の記事に書いた通りです。

給料が上がることを期待するより高配当銘柄に投資してインカムゲインを得えながら収入アップを狙った方が現実的な理由

J-REIT(Jリート)の銘柄は全て上場しているので、個別株やETFのように大手ネット証券ならかなり低コストで購入することができます。仮に、3000万円分を購入したとしても、売買手数料はたったの1000円前後です。

実物不動産は様々なコストがかかりますが、J-REIT(Jリート)なら低コストで不動産に投資できます。さらに、売りたい時もJ-REIT(Jリート)の方が流動性が圧倒的に高いので、サクッと売却できます。

今回はJ-REIT(Jリート)に投資する前に知っておきたい投資対象ごとの特徴や賃料の安定性について説明したいと思います。

オフィスビル

オフィスビルはJ-REIT(Jリート)の王道であり、醍醐味です。

個人で不動産投資を始めたとしても、住宅への投資は可能ですが、オフィスビルへの投資は資金的にほぼ不可能です。

でも、J-REIT(Jリート)なら少額からオフィスビルへの投資が可能になります。

街を歩いている時に、「私はあのオフィスビルに投資しているんだよ」と友達や家族に自慢できるかもしれません。

2018年9月時点での東京都心のオフィスビルの空室率は2.33%と、データが残る2002年1月以来で最低値を出しているほど企業のオフィス需要は好調です。

背景には働き方改革を意識した移転や増床の需要があります。

今の時代、いい労働環境でないと優秀な人材は獲得できないため、企業は人材獲得のためにオフィスに投資します。

その傾向は大企業だけでなく、中小企業にもあり、中小企業が探しているのが中〜小規模のオフィスです。

森トラストによると、東京23区の大規模オフィスビル(オフィスの延べ床面積が1万平方メートル以上)は2018~2020年にかけて毎年20件以上が供給されるそうです。

都心では大型オフィスが大量供給されますが、中〜小規模オフィスの供給は依然として限られた状態が続きます。

そういう意味では、中〜小規模オフィスをポートフォリオに含めた銘柄への投資は有望かもしれません。

オフィスビルに投資する際に覚えておきたいことは、オフィスビルの賃貸需要や賃料は景気に左右されやすいということです。

景気が悪くなれば、空室も増え、賃料も下がります。

2008年にリーマン・ショックが起こった時は、賃料(=会社の経費)を下げるためや会社をたたむためにオフィスから出ていく企業が増えました。

当時は外資系金融機関も多かったですが、日本から撤退する会社も少なくなかったです。

しかし、昨今のオフィス需要は国内の大企業やIT企業が中心となっているので、リーマン・ショックが起きた2008年頃のオフィス需要とはまた違った状況となっています。

住宅(賃貸マンションなど)

住宅はJ-REIT(Jリート)の中で最も賃料が安定しています。

日本では不景気になろうと、好景気になろうと、住宅(賃貸マンション)の家賃はほとんど変わらないからです。

そういう意味では、一番先が読める投資先と言えるかもしれません。

ちなみに、米国では2%の緩やかなインフレ(=物価上昇)が続いていますが、日本ではデフレ(=物価が低い状態)が続いています。この一番の差は住宅の家賃です。

米国では家賃は上がっていますが、日本ではここ30年ほど家賃が変わっていません。

日本も家賃が上がっていけば、日銀が目指す2%の物価上昇が達成できるかもしれませんが、日本はなぜか家賃が変わらないという風習があります。

おそらく、会社員の給料がほとんど変わっていないことが原因かと思います。

住宅に投資するJ-REIT(Jリート)の銘柄選定時には、エリアにはこだわった方がよいです。

というのも、オフィスが東京に増え(=東京で働く人が増え)、さらに2011年の東日本大震災以降は職住接近志向が高まったため、東京近辺の賃貸住宅需要はかつてよりも高まっているからです。

しかし、オフィスビルと違い、東京では賃貸住宅の供給はそれほど増えていません。

つまり、需要は増えているのに、供給がそれに追いつかない状態が続いているのです。今後、J-REIT(Jリート)に含まれる物件の中には賃料アップも見込めます。

逆に、地方は若者離れが進んでいるため過疎化に悩んでいます。

東京は2040年まで人口が増えるという予測もあるので、住宅(賃貸マンションなど)に投資するJ-REIT(Jリート)を選ぶなら、東京近辺の物件比率が高い銘柄を選んだ方がいいでしょう。

商業施設(ショッピングセンターなど)

昨今、多くのメディアで「アマゾン・エフェクト」という言葉を目にするようになりました。

「アマゾン・エフェクト(アマゾン効果)」とは、Amazonに代表されるネット通販へのシフトが既存の小売店(リアル店舗)を駆逐する現象のことです。

最近だと、米国ではかつてはウォルマートと並ぶ小売りの代表格だった「シアーズ」が経営破綻しました。

今の時代、わざわざ店舗に出向かなくても、手持ちのスマホ内に店舗がある状態です。

わざわざ出向く価値を提供できない商業施設は、どんどん客離れが進み、経営は悪化していきます。

逆に、顧客を惹きつける商業施設やショッピングセンターはより貴重になる時代とも言えます。

特に、SNSでの拡散に力を入れている商業施設やショッピングセンターは、客が客を呼びます。

買い物に行ったショッピングモールがすごく混んでいたら、そのモールがJ-REIT(Jリート)に含まれているかどうか確認してみるといいでしょう。

人気のモールがポートフォリオに入っている銘柄なら、投資価値はあるかもしれません。

ただ、「アマゾン・エフェクト」は日本よりも米国でより深刻になっているので、最近の海外投資家は商業施設への投資には積極的にならない傾向があります。

海外投資家の潤沢なマネーは、J-REIT(Jリート)の価格を上昇させる大きな要因となります。

また、商業施設と言えば、以前は店舗の売上の何パーセントという収益モデルが一般的でしたが、昨今は賃料モデルに変更しているところが増えてきます。その方が店舗の売上に左右されず、収益が安定するからです。

物流施設

住宅と同様に、物流施設も賃料は非常に安定しています。というのも、物流施設の場合、複数年契約が一般的だからです。

一度契約してしまえば、その後、数年は安定した賃料が見込めます。

ただ、昨今は供給過剰になってきているため、リート価格は下落傾向にあります。

ホテル

ホテルは一番景気の影響を受けるので、J-REIT(Jリート)の中では一番賃料が安定していない投資先と言えます。

日本で地震や台風などが起きると観光客も減ってしまうので、災害リスクも大きいです。

災害や天候は人間がコントロールできない要素なので、不確実性は高いと言えます。

東京オリンピック前でインバウンドも増加傾向にありますが、東京オリンピック後もインバウンド(外国人旅行客)をしっかりと呼び込めるかどうかも勝負どころです。

インバウンドが減少すれば、空室も増え、宿泊料(=賃料)も安く設定する必要が出てきます。

日本が本当の意味で観光大国になれれば、ホテルリートへの投資は高い分配金利回りが見込める投資となります。

ヘルスケア

ヘルスケアは老人ホームや高齢者住宅に投資するJ-REIT(Jリート)です。

日本は今後、高齢化がどんどん進んでいくので、需要は増えていくジャンルですが、3年に1度の介護報酬の改定で収入が左右されるので、政治リスクが高い投資先と言えます。

そのせいか、銘柄も2銘柄とJ-REIT(Jリート)の中で一番少なくなっています。

総合型

総合型は上記の各投資対象を複数含めたJ-REIT(Jリート)です。

銘柄数も一番多いジャンルで、投資対象の分散ができるというメリットがあります。

過去の合併で総合型になった銘柄もあります。

以上が投資対象ごとの特徴です。

J-REIT(Jリート)に関しては、過去にもいくつか記事を書いています。

J-REITとは?Jリートのメリットと実物不動産投資との違い REIT(リート)の投資先、分配金、リスク、メリット、投資額について解説! REIT(リート)の銘柄選びでは分配金利回り・NAV倍率・LTVをチェックすべき理由