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IPOで初値が大きく値上がりしそうな銘柄探しで確認すべき項目・ポイント

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近年、IPO(新規公開株)は非常に人気で、ネット証券の抽選ではまるで「宝くじ」のように当選しない状況が続いています。

しかし、IPOは申し込むだけなら無料です。1円もかかりません。

宝くじと違って金銭的な持ち出しは発生しないので、とりあえずIPOに申し込んでおくことで、いつかは当選するかもしれません。

ただ、現実はそれほど甘くなく、「やっと当選したと思ったら、初値高騰が期待できない人気のない銘柄だった、、最悪の場合、公開価格割れするかも・・・」ということはよくあることです。

まれに、初値が公開価格を下回ることもあります。「再上場銘柄」や「ファンドの利益確定銘柄」などでよく見られます。

事前評判が良くない銘柄だと、初値の高騰が期待できないため投資家の資金も期待したほど入ってこず、公開価格を割ることもあります。

そういった銘柄のIPOは申込者も少なくなるので、当選しやすくなるというわけです。

SBI証券のように落選してもIPOチャレンジポイント(後々、IPOが当選しやすくなるポイント)が付くような証券会社なら、全てのIPOに申し込むという選択肢もありだと思いますが、他の証券会社では人気のない(=公開価格割れしそうな)銘柄のIPOは避けておきたいところです。

また、IPOの申込は無料ですが、時間や手間がかかります。証券会社によっては、当選するか分からないのに、申込のために当選資金を事前に用意する必要もあります。

なので、一番オススメなのはSBI証券ではIPOチャレンジポイント狙いで全てのIPOに申込み、他の証券会社では初値で大きな値上がりが期待できそうな銘柄だけの申込するという方法です。

この方法だと、無駄な時間を使わずに済みますし、公開価格割れしそうなIPO銘柄を捕まされるリスクも排除できます。

ちなみに、IPOの当選を狙うなら「SBI証券」と「マネックス証券」の口座開設は必須です。この2社は完全抽選方式なので、営業マンとのコネとか関係なく、宝くじのような感じで当選者を選出するシステムになっています。

また、最近は証券会社が顧客の争いのためにIPOに力を入れています。

というのも、手数料争いは行きつくところまでいってしまったので、今度は新たな付加価値で顧客獲得競争をするステージに入ってきているからです。

そのせいか、2018年からは「楽天証券」でもIPOが増えてきています。

証券会社の口座開設は、免許証やマイナンバー写真のアップロードをネットで済ませれば1週間程度で開設できますので、事前に口座開設しておくことをオススメします。

IPOで初値が大きく値上がりしそうな銘柄探しで確認すべき項目・ポイント

「公開価格」に対して「初値」がどれだけ値上がったかを示すのが「初値騰落率(はつねとうらくりつ)」です。

たとえば、公開価格が1000円で初値が1000円(公開価格と同じ)だったら、初値騰落率は0%となります。

公開価格が1000円で初値が1500円(公開価格の1.5倍)だったら、初値騰落率は50%となります。

公開価格が1000円で初値が2000円(公開価格の2倍)だったら、初値騰落率は100%となります。

公開価格が1000円で初値が3000円(公開価格の3倍)だったら、初値騰落率は200%となります。

2018年に上場(IPO)した銘柄で初値騰落率が200%以上(=初値が公開価格の3倍以上)と大幅に値上がりした銘柄は以下の通りです。(初値騰落率順で掲載)

銘柄 市場 公開価格 初値 初値騰落率 上場日
HEROZ マザーズ 4,500円 49,000円 +988.89% 2018/4/20
アジャイルメディア・ネットワーク マザーズ 3,000円 15,470円 +415.67% 2018/3/28
ビープラッツ マザーズ 2,200円 10,000円 +354.55% 2018/4/4
Mマート マザーズ 1,240円 5,380円 +333.87% 2018/2/23
ジェイテックコーポレーション マザーズ 2,250円 9,700円 +331.11% 2018/2/28
RPAホールディングス マザーズ 3,570円 14,280円 +300% 2018/3/27
エーアイ マザーズ 1,000円 3,500円 +250% 2018/6/27
ZUU マザーズ 1,600円 5,550円 246.88% 2018/6/21
ベストワンドットコム マザーズ 4,330円 14,830円 +242.49% 2018/4/25
ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス マザーズ 1,170円 3,600円 +207.69% 2018/4/10

IPO・新規上場企業情報 – Yahoo!ファイナンスより

初値騰落率が一番高いのは「HEROZ」で、なんと初値が公開価格から10.88倍になっています。

公開価格が4500円なので、100株当選した人の投資資金は45万円になります。

この人が初値で売却すると445万円も儲かったことになります。(4,900,000円 – 450,000円 = 4,450,000円)

また、初値騰落率200%以上の銘柄は全てがマザーズに上場しています。

これは当然といえば当然で、上場市場が「マザーズ」ということは、今はまだ小さい会社だが、将来の伸びしろは大きいということです。

株価には先行性があり、将来の伸びしろに対して値付けされるので、東証一部や東証二部に上場する銘柄よりも、マザーズに上場する銘柄の方が初値が上がりやすい傾向があります。

そして、この初値騰落率はいくつもの要素によって左右されます。

それらの要素を知ることによって、初値が大きく値上がりしそうな銘柄を探し当てる確率を上げることができます。

仮に、IPOの当選に外れたとしても、セカンダリーで買いに行ってもいいでしょう。

チェックポイント1)創業から上場までの期間が短い

多くの投資家は創業してから上場までの期間を気にします。

というのも、創業してから上場までの期間が短い会社の方が勢いを感じられ、上場後の成長も期待できるからです。

だいたい、創業から上場まで20年以内なら好感され、10年以内なら人気化します。

若手社長ができるだけ早い段階で上場を目指すのも、このためです。

逆に、創業から20年以上たっている企業や老舗企業がIPOをしても、成長余地を感じられず、あまり人気化しません。

このあたりは、会社も人間と一緒で、20代の若者と50代のおじさんでは、「今後の成長期待」という意味では圧倒的に20代の方が高いのと同じです。

初値騰落率ダントツ1位(+988.89%)の「HEROZ」は、2009年4月創業〜2018年4月上場で、創業から上場まで9年です。

初値騰落率+250%の「ZUU」にいたっては、2013年4月創業〜2018年6月上場で、創業から上場まで5年と非常に短いです。

チェックポイント2)再上場銘柄ではない

再上場銘柄はIPOでは典型的な不人気銘柄です。

再上場ということは過去に上場廃止している企業です。

上場廃止といった実績を持つ企業が再度上場しようとしても、単に「資金調達だけを目的とした上場」と受け取める投資家が多く、人気化しないからです。

チェックポイント3)過去に社名を変更していない

過去に社名を変更している会社も投資家から怪しまれるので人気化しない傾向があります。

社名をわざわざ変更するということは、何か過去にネガティブが噂があるのではないかと思われますし、実際にネットで検索するとネガティブな噂が多かったりします。

アプリで始めるアパートIoT経営の「TATERU」は、創業時(2006年2月)は「インベスターズ」、上場時(2015年12月)は「インベスターズクラウド」という社名でしたが、2018年4月1日に「TATERU」に社名変更し、2018年8月31日に不正が発覚しました。

不正発覚後は株価が連日ストップ安を続け、大幅下落しています。

そもそも、ブランド力がある企業なら社名を変更したりしません。

チェックポイント4)上場市場がマザーズかジャスダック

上場後の成長期待が大きい銘柄ほど高い初値が付くので、新興市場へ上場する銘柄の方が高い初値騰落率が期待できます。

日本で新興市場といえば、まずは「マザーズ」で、次に「ジャスダック(JASDAQ)」です。

この2市場にIPOする銘柄は公開価格よりも高い初値が付くことが期待できます。

逆に、地味な企業が多い印象の「東証二部」、すでに成長しきった企業が上場する「東証一部」は初値高騰が期待できません。

さらに、新興市場に上場する銘柄の方がIPOの規模が小さいため、需要に対する供給が少なく、その結果、初値が上がるといったこともあります。

また、「マザーズ」や「ジャスダック(JASDAQ)」からスタートして、数年後に東証二部、そして東証一部へと成長する企業も出てきているので、そういった成長物語もイメージできます。

チェックポイント5)将来性を感じられる事業

これから世の中を変えていくような技術を持った事業を行っている企業は、将来の成長期待が大きくなるので、初値も大きく高騰しやすいです。

2018年現在では、人工知能(AI)やIoT、自動運転技術、5G、フィンテックなどです。

初値騰落率1位の「HEROZ」は人工知能(AI)技術をメインにした会社です。

また、既存の会社にない新規性の高い事業を行っている企業の場合も、過去に上場した企業と比較することができず、投資家はどの程度の株価が適正価格なのか分からず、高騰することがあります。

この手の技術を持った会社の多くは「マザーズ」市場に上場するのが一般的です。

チェックポイント6)上場まで増収増益

上場まで増収増益(=売上高も利益も伸びている)している企業の方が、上場後の成長を描きやすいので人気化します。

逆に、上場までの業績が悪い企業は、上場後の成長も描きにくいので人気化しません。

株価とは基本的に業績に連動するので、上場までの業績が右肩上がりだと、上場後も右肩上がりをイメージしやすくなります。

チェックポイント7)「売出株式」より「公募株式」が多い

IPO(新規上場)する際、新規公開される株式には「公募株式」と「売出株式」の2種類あります。

  • 公募株式・・・資金調達のために上場時に新規発行される株式(=売却して得た資金は上場後の成長のために使われる)
  • 売出株式・・・創業者などの大株主が保有していた株を一般投資家に売却するための株式(=元々の保有者が利益確定のために売却)

「公募株式」を売却して得た資金は、その後の会社の成長のために使われます。

「売出株式」はその会社の経営陣やベンチャーキャピタルなどが、上場するにあたり利益を得るための株式なので、会社の成長には使われません。売却して得た資金は利害関係者のポケットに入るだけです。

当然ですが、「公募株式」が多い方が、その後の会社の成長をイメージできるので人気化します。

「公募株式」と「売出株式」の数はIPO申込時に閲覧する「目論見書」で確認できます。

「目次」に「新規発行株式」とありますが、このページで「公募株式数」を確認できます。

「売出株式」は「引受人の買取引受による売出し」と「(オーバーアロットメントによる売出し」の2つの合計数になります。

この企業の場合、「公募株式」の数は「250,000」です。

「売出株式」の数は「25,000 + 41,200 = 66,200」で「66,200」となります。

つまり、この企業の場合、「公募株式:250,000」「売出株式:66,200」となり、今後の成長資金として使われる「公募株式」の方が3.7倍ほど多くなっています。

チェックポイント8)公募株式の売出数が少ない

「公募株式」は多ければ多いほど良いというわけでありません。

モノの値段は需要と供給で決まるように、需要に対して供給が少ないものの方が高い値段を付けます。

逆に、需要がたいしてないのに、たくさん供給されるものは高い値段が付きません。

同じように、「公募株式」の売出数が多くなると、供給過多になり、IPOの初値は上がりにくくなります。

逆に、「公募株式」の売出数が少ない銘柄だと、多くの投資家で奪い合う形となるので、初値が値上がりしやすくなります。

チェックポイント9)市場からの資金吸収額が少ない

IPOの際に新規発行される株式数(公募株式 + 売出株式)に「公開価格」をかけると「市場からの資金吸収額」を計算できます。

たとえば、発行株式数が259,900株で公開価格が3,000円なら「259,900 × 3,000 = 779,700,000」となり、「市場からの資金吸収額」は7億7970万円となります。

この「市場からの資金吸収額」が小さいほど、初値は上がりやすくなります。

というのも、「市場からの資金吸収額」が大きいということは、それだけ大きな資金が必要となる、つまり投資家から多くの買いが集まらなくてはいけないということになるからです。

先ほどから何度も言っていますが、IPOでは供給が少ないほど初値は高くなりやすいです。なぜなら、投資家から集める必要のある資金も少なくて済むからです。

マザーズやジャスダックなら、IPO時の市場からの資金吸収額が20〜30億円以下だと、公開価格に対して初値は上がりやすいという印象があります。

ただし、供給が少ないということは、それだけ当選もしずらいということです。

チェックポイント10)ストックオプションが少ない

企業によっては、経営陣や社員にストックオプションを付与しているところもあります。

ストックオプションとは「あらかじめ決められた株価で自社株を購入する権利のこと」です。

上場で自社株が値上がりした時点で、ストックオプションで得た自社株を売却すれば、その人は儲けることができます。

IPOの投資家が初値で売却を狙うように、ストックオプションで得た株を持った社員も、上場直後の株価が高騰している時を狙って売却しようとします。

そのため、ストックオプションが多い銘柄では、上場後の売却リスクからか、初値がいまいち上がらなかったりします。

チェックポイント11)ベンチャーキャピタルの売りにロックアップがかかっている

ストックオプションと同様に、ベンチャーキャピタルが大株主に入っている比率が高いと、上場直後の株価が高騰している時を狙って売却しようとするリスクがあるので、初値が上がりにくくなります。

ベンチャーキャピタルのエグジット(出口)は持ち株を売却することなので、かならずどこかのタイミングで売却してきます。

ただし、ベンチャーキャピタルなどの大株主には、上場後の一定期間は持ち株を売却できない制限がかけれていることが一般的です。これを「ロックアップ」と言います。

「ロックアップ」には期間と株価の2種類あります。

期間の「ロックアップ」とは、たとえば「上場後180日(約半年)は売却できない」という制限です。

株価の「ロックアップ」とは、たとえば「株価が2000円以上になるまで売却できない」という制限です。

ストックオプションとベンチャーキャピタルについては、目論見書で確認できます。

以上が、「IPOで初値が大きく値上がりしそうな銘柄探しで確認すべき項目・ポイント」です。