過去10年の業績をチェックできる日本株分析ツール(無料)

給料が上がることを期待するより高配当銘柄に投資してインカムゲインを得えながら収入アップを狙った方が現実的な理由

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会社の給料アップには期待できないから、株式投資で一発逆転でも狙いたいけど、投資は損するかもしれないから怖くてできない・・・。

こんな人に最初の一歩としてオススメできる投資法の1つとして高配当銘柄への投資があります。

株式投資と言うと、買った値段よりも高く売り抜けて儲ける、いわゆるキャピタルゲイン(売却益)狙いの投資をイメージする人が多いかもしれませんが、配当や優待などを受け取るインカムゲイン(利回り)を狙う投資もあります。

特に、高配当銘柄は株価が比較的安定して動くので(=株価の上下の変動幅が小さいので=大きな損失を抱える可能性が低いので)、これから株式投資を始めたいと考えている投資初心者にもオススメです。

すごい人になると、年間配当収入が年収を超える人もいるくらいです。まるで、いくつもの不動産から家賃収入を得る大家さんのようです。

お金を稼ぐ方法は、大きく分類すると2つあります。

1つは「自分が働いてお金を稼ぐ方法(労働活動からの収入)」、もう1つは「お金に働いてもらってお金を稼ぐ方法(投資活動からの収入)」。

高配当銘柄への投資はまさに後者に当たります。

給料が上がらないことを思い悩むくらいなら、高配当銘柄への投資を視野に入れてみるのも、現状打破への1つの手段となりえます。

会社の業績はアップして株価も上昇しているのに、給料が上がらない理由

会社で正社員として勤務している人は、まず自分の給料がなかなか上がらない理由を知る必要があります。

2018年現在、飲食店などのアルバイト時給は人材不足のため大幅にアップしていますが、正社員の給料や年収はそれほど変わっていません。

2012年末からのアベノミクス以降、日本を代表する株価指数である「日経平均株価」は大幅に上昇しています。

2012年末の日経平均株価は8,900円台と低迷していましたが、2018年1月には24,000円を突破し、現在は22,000円台となっています。

つまり、この5年超で日経平均株価は2.5倍ほどになっているのです。(8,900円 × 2.5 = 22,250円)

株価は基本的に企業の業績の良し悪しによって上下します。企業業績がアップすれば株価も上昇し、企業業績が悪化すれば株価も下落します。

この5年超で日経平均株価は2.5倍になったということは、多くの日本企業の業績は伸びているということです。

しかし、給料が同じように上がっていかないので、その景気の良さを実感できないというのが実情だと思われます。

では、なぜ会社の業績は上がったのに、給料は上がらないのか?

その理由は、この数年で上場企業は「従業員重視」の姿勢から「株主重視」の姿勢へと徐々に変わってきているからです。

特に、2015年3月に政府主導の「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」が導入されたのをきっかけに、日本企業の株主還元強化に対する期待が高まりました。

たとえば、投資家から集めた資金で企業がどれだけ効率的に利益を上げているのを知る指標である「ROE(自己資本利益率)」重視の経営姿勢に変わってきたのも「株主重視」の1つの表れと言えます。

ROE(自己資本利益率)とは、その意味と考え方、投資家の資金は効率的に使われているのか?

また、海外の機関投資家に代表される「物言う株主」は、企業が利益を生まない状態で現金や不動産を持っていることを嫌います。

最近では、国内の大手運用会社も「現金を多く保有する企業」や「配当に回す割合が低い企業」に対して、株主総会で「物申す」動きが広がっています。

株主は企業の利益が「さらなる会社の成長」や「株主還元(株主利益還元)」に使われることを求めます。

会社がさらに成長すれば、株価も上昇し、株主はキャピタルゲイン(売却益)を得ることができます。

株主還元には色々な手段がありますが、配当を増やす(=増配)も株主還元の1つです。

ちなみに、配当金は「損益計算書(PL = Profit and Loss statement)」の「当期純利益」から出ます。

「損益計算書(PL)」とは四半期や1年といった期間に、会社が事業を通じてどれだけの売上を上げ、そのためにどれだけのコストをかけ、最終的にどれだけの利益を残したのかを見る計算書です。

「損益計算書(PL)」の流れを見ると、企業には5つの利益があることが分かります。そして、配当は最終的に残った「当期純利益」から出ます。

また、「損益計算書(PL)」の流れを見ると、従業員の人件費(=給料)にあたる「売上原価」や「販管費」を上げると「当期純利益」が減ることが分かると思います。

「従業員重視」の姿勢から「株主重視」の姿勢へと変化してくると、企業の最終的な利益が従業員よりも株主に流れる傾向が強くなっていくので、会社の業績が上がって株価が上昇しても、給料はなかなか上がらないのです。

ここまでは上場企業の話ですが、未上場の会社の場合でも、上場企業に比べて経営が安定していないため将来のまさかの時に備えて内部留保を貯める必要がありますし、社員の給料を上げると会社が半分負担している社会保険の金額もアップしてしまうので、なかなか社員の給料は上げづらいのが現実です。

だったら、会社の給料が上がることに期待するよりも(もしくは、会社の給料が上がらないことを嘆くよりも)、株主になって配当をもらう側に回り、給料と配当金のトータルで収入アップを狙った方が現実的なのではないでしょうか?

ちなみに、2017年度の日本の上場企業全体の配当総額は13.5兆円にもなります。

この膨大な配当額の一部でも受け取る側に回る努力をした方が、給料が上がることを期待するよりも利口と言えるのではないでしょうか。

配当利回りの計算方法、株価が上下すれば配当利回りも上下する

「高配当銘柄」とは配当利回りが高い銘柄のことです。

配当利回りは以下の計算式で計算します。

◎配当利回り(%) = 1株あたりの年間配当額 ÷ 買った時の株価 × 100

たとえば、1株あたりの年間配当額が100円で、自分がその銘柄を買った時の株価が3000円の場合、配当利回りは3.33%になります。(100円 ÷ 3000円 × 100 = 3.33…)

当然、株価は毎日変動するので、配当利回りも毎日変更します。

同じ銘柄を複数回に分けて買ったとしても、自分が得られる配当利回りは、買った時の株価、つまり、買うタイミングによって変わってくるということです。

また、この計算式を見れば分かる通り、買った株の購入額のうち何パーセントを年間の配当金として受け取れるのかを表しているのが「配当利回り」です。

配当利回りが3%なら、株の購入額のうち3%が配当として受け取れるということです。

たとえば、株価3000円の株を100株購入したら、購入額は30万円になります。配当利回りが3%なら、30万円の3%にあたる9000円が年間の配当金として受け取れる額となります。(300,000円 × 0.03 = 9000円)

「1株あたりの年間配当額」は証券会社の各銘柄の「業績」ページで確認できます。

上の画像はマネックス証券の「銘柄スカウター」で見た「花王」の「1株あたりの年間配当額」です。

見ての通り、「花王」は毎年「1株あたりの年間配当額」が増えている連続増配銘柄の1つです。

ただ、「1株あたりの年間配当額」を確認する時に、「1株あたりの年間配当額」だけをチェックするのではなく、「利益」が順調に増えているのかどうかも確認するようにしましょう。

というのも、先ほど「損益計算書(PL)」のところで触れたように、配当は「当期純利益」から出るからです。

利益が減っているのに、配当が増えている(もしくは変わらない)場合は、将来、減配(=1株あたりの年間配当額が減る)のリスクがあることを頭の片隅に置いておいた方がいいでしょう。

基本的に、減配するとその後の株価も下落することが多いので、配当金が減るだけでなく、含み損を抱える可能性も出てきます。

同じく、マネックス証券の「銘柄スカウター」で見ることができる「花王」の過去10年の売上高、営業利益、
経常利益、当期利益です。

見ての通り、過去4年では売上高は横ばいですが、営業利益、経常利益、当期利益ともに右肩上がりなことがひと目で分かります。

これを見ると、「花王」は現状では減配のリスクが低いということが分かります。

ちなみに、無料で使える銘柄分析ツールで過去10年のデータを確認できるのは、私が知る限りマネックス証券の「銘柄スカウター」のみです。

へたな有料ツールよりも高性能なので、個別株投資や高配当銘柄への投資をするなら、マネックス証券の口座開設は必須と言えます。

マネックス証券に口座開設すれば、「銘柄スカウター」は無料で利用できるようになります。

「銘柄スカウター」利用の有無は、武器を持って戦うか、武器を持たずに戦うかくらいの違いが出ると思われます。

「銘柄スカウター」については、以下の記事で詳しく紹介しています。

日本株分析ツール「マネックス銘柄スカウター」が無料なのに有料級のサービスでビックリ

配当利回りが上昇する要因は2つ、株価と配当利回りは逆相関

配当利回りが上昇する要因は以下の2つです。

  1. 株価が下がる
  2. 1株あたりの年間配当額が増える

株価が下がると配当利回りは上がる

株価が下がる(↓)と配当利回りは上がり(↑)ます。逆に、株価が上がる(↑)と配当利回りは下がり(↓)ます。

つまり、株価と配当利回りは逆相関の関係にあるということです。

これは配当利回りの計算式を見れば分かると思います。

◎配当利回り(%) = 1株あたりの年間配当額 ÷ 買った時の株価 × 100

たとえば、1株あたりの年間配当額が100円で、買った時の株価が2500円の時の配当利回りは「4%」になります。

100円(1株あたりの年間配当額) ÷ 2500円(買った時の株価) × 100 = 4

この銘柄の株価が2000円に下落すると、配当利回りは「5%」に上昇します。

100円(1株あたりの年間配当額) ÷ 2000円(株価) × 100 = 5

逆に、株価が3000円に上昇すると、配当利回りは「3.33%」に下落します。その代わり、含み益が増えます。

100円(1株あたりの年間配当額) ÷ 3000円(株価) × 100 = 3.33…

このように、「配当利回り」と「株価」は逆相関の関係にあります。

1株あたりの年間配当額が増えると配当利回りは上がる

また当然ですが、「1株あたりの年間配当額」が増えると配当利回りは上昇します。

たとえば、株価が買った時の2500円のままでも、「1株あたりの年間配当額」が100円から125円に上昇すると、配当利回りは「5%」に上昇します。

125円(1株あたりの年間配当額) ÷ 2500円(株価) × 100 = 5

「1株あたりの年間配当額」が増えることを「増配」と言います。

増配は業績が堅調なことのアピールにもなり、株主還元を高めようとしている企業側の意思表示ともなるので、その後の株価が上昇する傾向があります。

ただし、「増配」は頻繁に行われることではないので、少しでも高い利回りを得るためには、株価が下落(=配当利回りは上昇)した時に買う必要があります。

ただし、株価が下落した原因をちゃんと確認してから買うようにしましょう。

将来の利益が減るようなニュースが出て株価が大幅に下落しているなら、将来的に減配のリスクがあるからです。

配当金の受け取りは年に1回か2回、「権利確定日」の3営業日前までに株を買う必要あり

高配当銘柄を買ったからといって、すぐに配当を受け取れるわけではありません。

まず、企業というのは年に4回(3ヶ月に1回)決算(=売上高や利益、コストなどの確認)をします。

日本の企業は3月決算の会社が多いですが、その場合は4〜6月が第1四半期、7〜9月が第2四半期、10〜12月が第3四半期、1〜3月が第4四半期となり、3月末が1年を締めくくる本決算となります。

米国の場合、四半期ごとに配当が出る会社が一般的ですが、日本の会社の場合、配当は年1〜2回出るのが一般的です。

年2回の配当が出る企業の場合、1回目(=中間配当)は9月の第2四半期の決算時に、2回目(=期末配当)は3月の本決算時に配当を受け取る権利を取得できます。(配当が年1回の場合は中間配当がなく、期末配当のみ。)

そして、それから2〜3ヶ月後に実際に配当を受け取るという流れになります。

ここからが重要になりますが、配当を受け取る権利を取得できる日のことを「権利確定日」と言い、この日に株主名簿に名前が登録されます。

こう書くと、「権利確定日」に株を買えばいいのかと思ってしまいそうですが、配当を受け取る権利を取得するには「権利確定日」の3営業日前の「最終売買日(権利付き最終日)」までに株を買っておく必要があります。

ちょっとややこしいので、ここまでの流れをもう一度シンプルにまとめます。

  1. 買おうと思っている銘柄の配当が年に1回なのか2回なのか確認する
  2. 「権利確定日」を確認する(=株主名簿に名前が登録される)
  3. 「権利確定日」の3営業日前の「最終売買日(権利付き最終日)」までに株を買う

「権利確定日」と「最終売買日(権利付き最終日)」の間に休日や祝日がある場合は注意が必要です。このケースでは休日や祝日を除いて3営業日を数えます。

たとえば、上のカレンダーのように、31日(金)が「権利確定日」なら、28日(火)が「最終売買日」になるので、この日までに株を買う必要があります。

上のカレンダーのように土日の休日を挟むような場合は、土日はカウントせずに3営業日前となる23日(木)までに株を買う必要があります。

この説明をすると、「だったら最終売買日に買えばすぐに配当がもらえてお得では?」などと考える人がいますが、それは得策ではありません。

なぜなら、配当や優待目当てで最終売買日に向けて株を買う人が増え、株価が割高になることが多いからです。

前述した通り、株価と配当利回りは逆相関なので、株価が上がれば配当利回りは下がります。

最近では、最終売買日の2週間前には株価がピークを付けることもあるので、狙った銘柄がある場合はもっと早く買いに出る方がいいでしょう。2〜3ヶ月前から買いに出る人も少なくありません。

ちなみに、「最終売買日」の翌日は「権利落ち日」と言い、株価が下がりやすい日でもあります。

なぜなら、「最終売買日」に株を保有していれば、「権利確定日」まで保有していなくても株主名簿に名前が載るので(=配当や優待を受け取る権利を得られるので)、配当や優待が目当ての人は「最終売買日」の翌日に株を売却してしまうからです。

日経平均高配当株50指数

高配当銘柄に投資してインカムゲインを得たいけど、どの銘柄を選ぶべきなのか分からないという人も多いと思います。

そんな人の銘柄選びの参考になるのが「日経平均高配当株50指数」です。

「日経平均高配当株50指数」とは、日経平均を構成する255銘柄のうち配当利回りの高い50銘柄から構成される配当利回りウエート方式の株価指数です。2017年1月10日から算出開始された比較的新しい指数です。

ただ単に配当利回りだけを見ているのではなく、流動性(=売買代金)も加味されて選定され、毎年1回、6月の最終営業日に銘柄入れ替えを行っています。

※2018年9月7日(金)の終値時点の配当利回りが高い順

銘柄 業種 予想配当利回り 予想ROE 予想PER PBR
松井証券 証券 7.26% 13.7% 21.9倍 3.13倍
日産自動車 自動車 5.58% 9.3% 7.9倍 0.75倍
大和証券グループ本社 証券 5.25% 9.4% 8.7倍 0.82倍
日本たばこ産業(JT) 食品 5.23% 14.1% 13.6倍 1.91倍
東京エレクトロン 電気機器 4.86% 35.2% 10.2倍 3.63倍
あおぞら銀行 銀行 4.80% 9.9% 10.3倍 1.04倍
キヤノン 電気機器 4.72% 9.9% 13.0倍 1.29倍
積水ハウス 建設 4.72% 10.6% 9.0倍 0.96倍
SUBARU 自動車 4.66% 14.2% 10.7倍 1.52倍
住友商事 商社 4.24% 12.5% 6.8倍 0.83倍
武田薬品工業 医薬品 4.11% 7.0% 24.6倍 1.67倍
ブリヂストン ゴム 4.05% 13.1% 9.7倍 1.27倍
MS&ADインシュアランスグループホールディングス 保険 3.99% 6.8% 9.4倍 0.64倍
昭和シェル石油 石油 3.95% 34.2% 10.0倍 2.75倍
野村ホールディングス 証券 3.94% 2.9% 21.5倍 0.61倍
双日 商社 3.94% 10.7% 7.5倍 0.80倍
三井住友フィナンシャルグループ 銀行 3.94% 6.7% 8.5倍 0.57倍
みずほフィナンシャルグループ 銀行 3.90% 6.3% 8.5倍 0.53倍
三井物産 商社 3.88% 10.6% 7.4倍 0.77倍
NTTドコモ 通信 3.85% 14.7倍 1.79倍
日本郵政 サービス 3.82% 2.5% 16.0倍 0.40倍
伊藤忠商事 商社 3.80% 16.9% 6.6倍 1.10倍
丸紅 商社 3.72% 13.0% 6.8倍 0.83倍
アマダホールディングス 機械 3.71% 14.5倍 0.96倍
三井化学 化学 3.71% 15.7% 6.6倍 1.01倍
三菱商事 商社 3.68% 11.3% 8.2倍 0.90倍
沖電気工業(OKI) 電気機器 3.68% 5.0% 23.4倍 1.22倍
三菱ケミカルホールディングス 化学 3.57% 14.3% 7.3倍 1.03倍
東京海上ホールディングス 保険 3.53% 8.4% 11.4倍 0.99倍
NTN 機械 3.51% 8.3% 10.7倍 0.89倍
りそなホールディングス 銀行 3.49% 9.6% 6.9倍 0.65倍
スカパーJSATホールディングス 通信 3.44% 5.3% 13.5倍 0.71倍
KDDI 通信 3.41% 16.4% 11.3倍 1.74倍
デンカ 化学 3.41% 10.5% 12.3倍 1.28倍
本田技研工業 自動車 3.40% 7.8% 9.0倍 0.68倍
日本軽金属ホールディングス 非鉄・金属 3.36% 11.5% 7.3倍 0.83倍
トヨタ自動車 自動車 3.33% 11.3% 9.0倍 1.01倍
日本精工 機械 3.31% 12.8% 9.1倍 1.16倍
古河機械金属 非鉄・金属 3.22% 4.7% 15.6倍 0.75倍
小松製作所(コマツ) 機械 3.19% 13.6% 12.5倍 1.67倍
三井住友トラスト・ホールディングス 銀行 3.00% 6.3% 9.9倍 0.62倍
三菱UFJフィナンシャル・グループ 銀行 2.99% 5.3% 10.2倍 0.55倍
日本電気硝子 窯業 2.95% 3.8% 16.5倍 0.62倍
ソニーフィナンシャルホールディングス 保険 2.87% 8.8% 17.1倍 1.54倍
コニカミノルタ 精密機器 2.87% 7.3% 13.3倍 0.96倍
ふくおかフィナンシャルグループ 銀行 2.87% 6.7% 9.7倍 0.64倍
宇部興産 化学 2.81% 9.7% 9.1倍 0.89倍
JXTGホールディングス 石油 2.78% 12.2% 7.8倍 0.92倍
横浜ゴム ゴム 2.77% 10.7% 8.9倍 0.96倍
トレンドマイクロ サービス 2.30% 16.8% 33.9倍 5.71倍

参考:日経平均プロフィル – 日経平均高配当株50指数

メガバンクの普通預金の金利が「0.001%」、定期預金でも「0.01%」というほぼゼロ金利(=お金が働かない状態)にも関わらず、高配当銘柄の配当利回り(=銀行預金でいうところの金利)は2.3%〜7.26%と非常に高いです。

この表を見ると、上から順に(配当利回りが高い順に)投資したくなる人もいるかもしれませんが、投資なので「配当利回り」だけで判断してはいけません。

最初に言った通り、投資には「インカムゲイン」だけでなく「キャピタルゲイン」狙いの稼ぎ方もあるからです。

先ほど、「株価と配当利回りは逆相関する」と言いましたが、たとえば、この中で配当利回りが一番低い「トレンドマイクロ」の株価はこの5年間右肩上がりが続いています。

つまり、株価が上がっているから配当利回りは下がっているのです。(=株価と配当利回りは逆相関)

ただし、株価が上昇しているので含み益は増えていることになります。ある程度の含み益が出た時点でキャピタルゲイン狙いで利益確定してしまってもいいでしょう。

では、配当利回り7%という圧倒的1位の「松井証券」は株価が下落傾向にあるのかというと、上のように過去5年で見ると横ばいですが、2017年末から上昇傾向が続いています。

高い配当利回りが評価されてインカムゲイン狙いの投資家の買いが入ってきているのだと思われます。

大きな含み損を抱えないために、銘柄選びの際に「配当利回り」以外に見るべきところ

配当(インカムゲイン)狙いの投資をしようと思うと、ついつい「配当利回り」だけを見て投資先を決めてしまいがちですが、投資なのでトータルな銘柄選びが重要になってきます。

というのも、どんなに高配当でも、株価が下がり続ける銘柄を買ってしまっては、含み損をずーと抱えることになるからです。

含み損は確定しない限りバーチャルな損失のままですが、含み損が増えていくと精神的に辛くなってきます。

そういう意味では、配当だけでなくキャピタルゲイン(売却益)も見込める銘柄に投資するのが正攻法と言えます。

そこで、大きな含み損を抱えないために、「配当利回り」以外に確認すべきポイントについて書きたいと思います。

配当性向

先ほど、「損益計算書(PL)」のところで配当は最終的に残る利益である「当期純利益」から出ると言いましたが、企業が稼いだ年間の利益のうち、どれだけ株主に配当したかを示す指標を「配当性向」と言います。

配当性向は以下のように2つの計算式で計算できます。

◎配当性向(%)= 年間配当総額 ÷ 当期純利益 × 100

◎配当性向(%)= 1株あたり配当 ÷ 1株あたり利益(EPS) × 100

無配(=配当を出さない)なら配当性向は0%、利益のすべてを配当すれば配当性向は100%となります。

企業は稼いだ利益を「従業員の給料」「将来のための研究開発や設備投資」「株主還元(=配当や自社株買いなど)」「内部留保」に配分していきます。

日本企業の場合、6割の企業が配当性向20~30%台となっており、欧米の企業に比べると「配当性向」は低めになっています。

2017年のデータだと、米国の主要500社の配当性向は39%、ヨーロッパの主要600社の配当性向は62%ですが、東証1部に上場している主要500社の配当性向は平均31%ほどです。

配当性向が高いほど株主還元を重視している企業(=株主に報いようとする企業)と考えることもできますが、日本の高配当銘柄に投資する場合、「配当性向」が50%を超えるような銘柄は避けた方がいいかもしれません。

なぜなら、「配当性向」が高すぎると、業績が悪化し利益に余裕がなくなった時に「減配」のリスクがあるからです。減配した銘柄は、その後かなりの確率で株価は下落します。

また、利益の半分(50%)を株主への配当に回しているということは、将来の成長のために使える資金はそのぶん少なくなるということです。

上場企業は株主還元に対する責務も負っていますが、将来の成長のための投資を犠牲にしてまで株主還元に傾けば、企業の稼ぐ力は確実に衰えていきます。その結果、長期で見ると株主の利益にも反することとなります。

「配当性向」は自分で計算しなくても、証券会社のサイトで見ることができます。

マネックス証券の「銘柄スカウター」なら、配当性向の数値だけでなく、以下のように棒グラフで市場全体との比較も簡単にできます。

連続増配している「花王」は配当利回りは1.26%とそれほど高くはありませんが、配当性向は36.9%と市場全体の平均より少し高くなっています。

株価の上昇が続いている「トレンドマイクロ」は配当利回りこそ2.14%とそれほど高くありませんが、配当性向は79.7%と非常に高いです。

利益の約8割を株主還元していることになります。

「トレンドマイクロ」は「ウィルスバスター」を筆頭とするセキュリティー製品を販売する会社ですが、世の中が不景気になったからといって、セキュリティー対策を疎かにする企業は少ないので、安定感のあるビジネスモデルと言えます。

「日経平均高配当株50指数」で配当利回りがダントツ1位だった「松井証券」は、2019年度から1株配当を大幅に増配するので、配当利回りが非常に高くなっています。

配当性向も87.5%と非常に高いです。

株主還元重視の姿勢が見えると同時に、高い配当利回りで投資家の買いを呼び寄せているようにも見えます。

株価が割安

「株価と配当利回りは逆相関(=株価が下落すると配当利回りが上昇する)」なので、配当利回りが高くなっている銘柄は株価が割安になってきたと言えます。

ただし、それは「配当利回り」という1つの指標から見た株価なので、「利益」や「資産」に対しても今の株価が割安か割高かを判断する必要があります。

株価の割安・割高を示す代表的な指標に「PER(=利益に対して今の株価は割安なのか?割高なのか?)」と「PBR(=資産に対して今の株価は割安なのか?割高なのか?)」があるので、こちらも必ずチェックしておきたいところです。

PERとPBRは非常にメジャーな投資指標なので、証券会社のサイトはもちろん、ヤフーファイナンスなどでもチェックできます。

PERとPBRの詳細は以下の記事に書いています。

PER(株価収益率)とは、その意味と捉え方、割高・割安指標だけでなく投資家からの期待値も示している PBR(株価純資産倍率)とは、その意味と考え方、PBR1倍割れは割安で買いなのか?解散した方がマシなのか?

配当(インカムゲイン)狙いで投資したとしても、割安局面で仕込めたなら、将来的にキャピタルゲイン(売却益)も狙えます。

自己資本比率

財務が健全な会社じゃないと、安定して配当を出すことができません。

そこで、「自己資本比率」もチェックしておきたいところです。

会社が使えるお金は「自己資本(株主などから集めたお金=返済する必要なし)」と「他人資本(銀行融資や社債などの借り入れ=返済する必要あり)」からなっています。

「自己資本比率」を見れば、返済する必要のない「自己資本」がどの程度の比率を占めているのかが分かります。

「自己資本比率」が高いということは、負債(=返済する必要のあるお金)が少ないということであり、財務的に健全な状態と言えます。

逆に、「自己資本比率」が低いということは、負債が多いということなので、財務的には不健全な状態と言えます。

「自己資本比率」が低い銘柄は、業績が少し傾くと借金の返済で財務的な余裕がなくなって、将来的な減配の可能性が出てきます。

「自己資本比率」は50%を目安にし、配当狙いの投資ではあまりにも「自己資本比率」が低い銘柄は避けた方がいいでしょう。

ROE(自己資本利益率)とは、その意味と考え方、投資家の資金は効率的に使われているのか?

過去に減配したことがあるのか?

過去に減配をしたことがある企業は、今後も業績が悪くなる度に減配する可能性があります。

逆に、過去にずーと増配している銘柄(連続増配銘柄)は、今後も増配する可能性が高いです。

そのため、今現在の1株配当だけでなく、過去数年までさかのぼって1株配当をチェックしておきたいところです。

業績が安定しているか?

株価は基本的に業績に比例するので、業績の安定度も長期で配当を受け取るには大切です。

過去の業績が上下に大きくブレている銘柄は、長期で配当を受け取る銘柄としては向いてないと言えます。

業績がブレにくい企業の特徴としては「景気に左右されづらい業界にいる企業」や「毎月安定した売上が入ってくるビジネスモデルを採用している企業」があります。

食品、通信、医療、電力といった業界は景気に左右されづらく、業績も安定傾向にあります。

サービスを利用するために月額契約が必要となるビジネスモデル(=ストックビジネス)を展開している企業も安定度は高いです。

過去の業績は証券会社のサイトで確認できますが、マネックス証券の「銘柄スカウター」が一番使えます。