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騰落率(シャープレシオ)とトータルリターンを見れば投資信託が儲かっているかどうか分かるが、どっちを重視すべき?


投資信託の 騰落率とトータルリターン

「投資したい投資信託があるんだけど、ぶっちゃけ儲かっているのだろうか?成績はどうなんだろうか?将来性はあるのだろうか?」と思うことがあります。

そんな時は、投資信託の「騰落率(とうらくりつ)」と「トータルリターン」をチェックすれば、その投資信託の過去から現在に至るまでの儲けがひと目で分かります。

ですから、投資信託を購入前には、基準価額純資産総額だけでなく、「騰落率」と「トータルリターン」もチェックするようにしましょう。

騰落率(シャープレシオ)

騰落率は「とうらくりつ」と読み、投資信託がとったリスクに対してどれ程のリターンをあげたかを示す指標です。騰落率が高ければ高いほど運用効率が良いとされています。

アメリカの経済学者・ウィリアム・シャープ(William Sharpe)が考案した比率(レシオ=Ratio)なので、英語では「シャープレシオ(Sharp Ratio)」と呼ばれています。

つまり、「騰落率=シャープレシオ」ということです。

騰落率(シャープレシオ)の計算は以下の数式で行います。

◎騰落率(シャープレシオ)=(リターン-無リスク利子率)÷リスク(=標準偏差)

「リターン」とは文字通り、投資信託があげている収益率のことです。

「無リスク利子率」は日本では「無担保コール翌日物」や「国債」の金利(利回り)を当てはめることが多いです。

現在の日本はゼロ金利状態なので(2016年1月からマイナス金利導入)、2018年8月時点では以下のような金利(利回り)になっています。

  • 無担保コール翌日物:-0.060%
  • 10年国債の利回り:0.11%

このように超低金利なので、「無リスク利子率」を省略して、以下の計算式で計算してもほぼ同じ騰落率(シャープレシオ)が導き出せます。

◎騰落率(シャープレシオ)=リターン ÷ リスク(=標準偏差)

「リスク」とは「危険」という意味ではなく「振れ幅」のことです。投資信託の場合なら「基準価額の振れ幅」ということです。

投資信託の場合、「リスク」は「標準偏差」で表します。つまり、騰落率(シャープレシオ)を計算する時には「リスク=標準偏差」となります。

「標準偏差」とはデータのばらつきの大きさを表わす指標のことで、投資信託の場合は先述したように「基準価額の振れ幅」に当たります。

ここまでの話を一旦まとめます。

  • 騰落率(シャープレシオ)の計算式は「(リターン-無リスク利子率)÷リスク」、超低金利が続く日本では「リターン ÷ リスク」でもOK
  • リターンは投資信託の収益率
  • 無リスク利子率は「無担保コール翌日物」や「国債」の金利(利回り)
  • リスクは投資信託の基準価額の振れ幅(=標準偏差=データのばらつきの大きさ)

先ほど、「騰落率が高ければ高いほど運用効率が良い」と書きましたが、リターンが10でリスクが5の場合、騰落率(シャープレシオ)は2になります。(10 ÷ 5 = 2)

リターンが10でリスクが10の場合、騰落率(シャープレシオ)は1になります。(10 ÷ 10 = 1)

リターンが15でリスクが5の場合、騰落率(シャープレシオ)は3になります。(15 ÷ 5 = 3)

このように、リスクに対してリターンが高くなるほど数値は上がるので、「騰落率(シャープレシオ)が高ければ高いほど運用効率が良い」と言えます。

言い方を変えれば、「騰落率(シャープレシオ)が高い投資信託は、より小さいリスクでより大きなリターンを上げた投資信託」と言えます。

それゆえ、投資信託選びには騰落率(シャープレシオ)のチェックが欠かせないのです。

投資信託の場合、自分で騰落率(シャープレシオ)を計算する必要はなく、「モーニングスター」や「投信まとなび」のような投信情報サイトでチェックできます。

たとえば、人気の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」の騰落率をチェックするとします。

モーニングスターの場合、トップページの「パフォーマンス」の「シャープレシオ」をチェックします。標準偏差もここに記載されています。

モーニングスターの騰落率(シャープレシオ)

投信まとなびの場合、「パフォーマンス詳細表」をチェックします。

投信まとなびの騰落率(シャープレシオ)

1年だと期間が短すぎて傾向が定まらないので、3年や5年の騰落率(シャープレシオ)を重視すようにしましょう。

また、比較は同じカテゴリーの投資信託で行うようにしましょう。

トータルリターン

投信投信の儲けを知る指標のうち、「騰落率」とともにチェックすべきなのが「トータルリターン」です。

トータルリターンをチェックすれば、対象期間にその投資信託の基準価額(値段)がどれほど変動したのかが分かります。

どちらかというと、トータルリターンの方が体感的に分かりやすいかもしれません。

トータルリターンも「モーニングスター」や「投信まとなび」のような投信情報サイトでチェックできます。

モーニングスターのトータルリターン

モーニングスターでは、「リターン」のページを見れば、さらに詳しいトータルリターンを見ることができます。

投信まとなびのトータルリターン

「投信まとなび」の「年率換算」は「1年あたりのリターンで見ると」という意味です。

騰落率(シャープレシオ)とトータルリターンはどっちを重視すべき?

体感的には「トータルリターン」の方が分かりやすかもしれませんが、投資信託の場合は「騰落率(シャープレシオ)」を重視すべきです。

なぜなら、投資には必ずリスクが伴うからです。儲かる可能性もあれば、それと同じくらい損する可能性もあるが投資です。

「トータルリターン」の計算にはリスクは含まれていませんが、「騰落率(シャープレシオ)」の計算にはリスクが含まれています。

よって、投資につきもののリスクを換算した「騰落率(シャープレシオ)」を重視すべきということになります。

今までよかったから今後も良いわけではない

騰落率(シャープレシオ)とトータルリターンをチェックする時に、1つだけ頭の片隅に置いておくべきことがあります。

それは、「過去の成績が良かったからといって、今後の成績も良いわけではない」ということです。

逆に言うと、過去の成績がぱっとしない投資信託でも、将来的には値上がりする可能性もあるということです。

これは投資の難しさであり、投資の醍醐味でもあります。