投資信託を買うと、手数料がかかります。
なぜなら、投資信託は自分で投資先を選ばずに、お金を運用してもらう商品だからです。
投資信託選びにおいて、この手数料を重視することは非常に重要です。
なぜなら、手数料の大小によって、利益の大小も変わってくるからです。
10年運用して10%のリターンが出ても、手数料が10%だったら利益はゼロですから・・・10年も運用したのに・・・。
また、投資した投資信託がどの程度まで儲かるのかは誰にも分かりませんが、手数料は確実にマイナスになります。
投資信託では「手数料が高い=高品質な投資信託」ではありません。むしろ、その逆です。
将来についてハッキリと分かっていることは手数料だけなので、手数料の安い投資信託を選ぶようにしましょう。
投資信託の主な手数料は「購入時手数料」「信託報酬」「信託財産留保額」の3つです。
それぞれについて詳しく解説します。
購入時手数料
投資信託を購入する時に1度だけかかる手数料が「購入時手数料」です。
これは銀行や証券会社などの「販売会社」に払う手数料です。
スポーツクラブで言うところの「入会金」のようなものです。
だいたい、銀行や証券会社の窓口で売っている投資信託の「購入時手数料」は3%前後のものが多くなっています。
投資信託の中には「購入時手数料」がかからない(0円)のものも少なくありません。
購入時手数料が0円の投資信託のことを「ノーロード」と言います。
ノーロード投資信託はネット証券に多いので、手数料を安く抑えたかったらネット証券で買うようにしましょう。
同じ銘柄でも銀行窓口だと購入時手数料が3%なのに、ネット証券で買うとノーロードというものもありますからね。
ちなみに、購入時手数料が3%ということは、100万を投資した場合、最初に3万円が引かれて97万円から投資が始まるということです。
ノーロードなら100万円から投資を始めることができます。
短期の運用なら、この差は非常に大きいです。
仮に、1年だけ運用するとしたら、購入時手数料が3%ということは、1年後に3%以上のリターンが出ていないと利益は出ないということです。
信託報酬
「信託報酬」は投資信託を保有している間ずーとかかる手数料です。
投資信託の純資産総額に対して「年率」でかかります。
スポーツクラブで言うところに年会費みたいなものです。
といっても、1年に1度だけ手数料が引かれるのではなく、毎日少しずつ純資産総額から自動的に引かれていきます。
だから、手数料を引かれているという感覚をあまり感じない手数料でもあります。
しかし、投資信託の手数料では一番負担が大きくなる手数料なのです。
特に、10〜30年といった長期投資の場合、時間の経過と共にコスト負担率が上がってきます。
たとえば、信託報酬が1%の場合、10年では10%、30年では30%のコスト負担率になります。
それはつまり、10年後に10%以上のリターン、30年後に30%以上のリターンが出ていないと「手数料負け」するということです。
だからこそ、3つの手数料の中では一番センシティブになる必要があります。
「信託報酬」は投資信託を作っている「販売会社(投資信託を販売)」「運用会社(投資信託を運用)」「信託銀行(投資家の資金を保管・管理)」の3社に分けられて支払われます。
信託財産留保額
「信託財産留保額」は投資信託の解約に対する手数料です。
だいたい、0〜0.3%ほどです。
0.3%と少ないですが、1000万円を投資した場合は3万円になるので、投資額が大きくなる場合は「信託財産留保額」がゼロのものを選んだ方がいいでしょう。
「信託財産留保額」は解約ペナルティ(迷惑料)のような役割を持っています。
というのも、アナタが投資信託を解約するということは、そのぶん純資産総額が減るので、残っている投資家にとっては迷惑な行為となります。
そのためのペナルティ(迷惑料)のような役割です。
実際、「信託財産留保額」は「販売会社」「運用会社」「信託銀行」に支払われるのではなく、投資信託の資産に戻されて運用されます。