石油

サウジアラビアが石油依存から脱却へ。アラムコが上場すれば時価総額世界一に。

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「ビジョン2030」で 石油依存から脱却へ。 サウジアラビアの国営石油会社 アラムコがIPOで時価総額世界一に

サウジアラビア政府は2016年4月25日、経済改革計画「ビジョン2030」を発表しました。

長引く原油安で厳しい財政状況が続く中東の産油国サウジアラビアが、2030年までに石油に依存する体制から脱却するための計画です。

1番の目玉は、世界最大の石油会社である国営サウジアラムコの株式上場です。

というのも、サウジアラムコが上場すると、世界の時価総額ランキングナンバーワンのアップルを大幅に上回る時価総額になるからです。

つまり、サウジアラムコが世界の時価総額ナンバーワン企業になるということです。

サウジアラビアの株式市場は外国人に対して閉鎖的だったため、これまであまり外国人に注目されてきませんでした。

しかし、サウジアラムコが上場して外国人に対して、今後は注目度も高まることは間違いありません。

今回は、「ビジョン2030」の内容とサウジアラビアに投資できるETFを紹介します。

サウジアラビアの「ビジョン2030」の内容

「ビジョン2030」を引っ張るのは、サウジアラビアのムハンマド副皇太子(31歳)です。

ムハンマド副皇太子はテレビ局アルアラビーヤのインタビューで「我々は原油依存症に陥っている。危険なことだ。」「2020年までには原油がなくなったとしても生き残れるようになる。」と石油依存体制から脱却を強調しました。

石油はサウジアラビアの歳入の約7割を占めています。

このまま原油安が続けば、財政赤字が続き、外貨準備も減る一方です。

この状態を脱却するために、原油生産に依存しない体制づくりに励むことに。

そのための大きな施策は2つあります。

1つ目は、国営石油会社アラムコの新規株式公開(IPO)です。

公開時期は未定ですが、5%未満の株式を国内や海外の証券取引所で公開する予定です。

アラムコが管理する原油などの可採埋蔵量は、民間で最大の米エクソンモービルの10倍以上もあります。

原油価格が下がると、収益を下げないために増産する必要性に迫られます。

しかし、増産すればそのぶん世界で原油が供給過剰になり、さらに原油価格が下がるという負のスパイラルに陥ります。

国営石油会社アラムコを上場させるメリットは、石油を無理に増産しなくても、世界の株式市場からお金を引っ張ってこれることです。

2つ目は、国営石油会社アラムコの新規株式公開(IPO)で得た資金で、日本円で200兆円をこす世界最大の政府系ファンドの設立です。

この政府系ファンドで世界中で投資を行い、企業や不動産を購入し、石油依存脱却後の準備にかかります。

これは、同じ湾岸諸国のカタールなどがすでにそれなりの結果を出している投資戦略です。

「ビジョン2030」に更なる詳しい内容は、以下のサイトに詳しく書いてあります。

サウジアラビア:2030年までの経済改革計画「ビジョン2030」を発表 | 公益財団法人 中東調査会

サウジアラビアに投資できるETF「iShares MSCI Saudi Arabia Capped ETF」

サウジアラビアに投資できるETFは米国市場に上場している「iShares MSCI Saudi Arabia Capped ETF」です。

ただし現状では、日本の証券会社では扱いはないようです。

そもそも、「iShares MSCI Saudi Arabia Capped ETF」は2015年9月に設定されてまだ1年もたっていませんし、出来高も薄い銘柄です。

しかし、国営石油会社アラムコのIPOのニュースを受け、市場は反応していますので、今後の値動きに注目です。

株価チャート

「iShares MSCI Saudi Arabia Capped ETF」の経費率は0.74%です。

2015年4月25日時点のPER(P/E)は12.97倍、PBR(P/B)1.64倍です。

追伸(2016年10月5日)

CNNに非常に興味深いニュースがあったので追伸します。

CNN.co.jp : 財政難のサウジ、閣僚の報酬を20%削減 電話代も自腹に

この記事を読むと、サウジアラビアでは日本では信じられないくらい国民が石油の恩恵を受けていることが分かります。

今までは、国民の約7割が政府によって雇われ(公務員みたいな人?)、民間企業の職は外国人労働者に多く占められていたそうですが、そういった構造も少しずつ変わっていっているようです。

原因は、石油価格低下による財政難です。

以下のような削減策によって、財政難を補うそうです。

  • 閣僚の給料を20%を削減
  • 国政助言機関である「諮問協議会(シューラ)」の構成員の給料を15%削減
  • 閣僚は今後、電話代を自分で払う(今までは電話代は無料だったの?)
  • 幹部級の官僚に認められていた公用車の利用も次の会計年度から中止
  • 下級の公務員の特別報奨金を削減
  • 公務員の有給休暇も制限
  • 販売税の導入
  • エネルギー資源や水供給における補助金の削減

今までが石油の恩恵を受けすぎていたという見方もできますが・・・。

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