「安全な投資」「絶対に儲かる投資」などといったものはありませんが、確率的に損失が出るリスクが低い、裏を返せば、利益が出る可能性が確率的に高い投資法なら「世界分散投資 x 長期積立投資」は1つの選択肢になります。
特に、投資初心者は世界に広く、長期目線で投資する方法が向いています。
今回は「世界分散投資 x 長期積立投資」が結局は一番賢い投資法になる理由について説明します。
精神的に落ち着いて投資と向き合える
株価の短期の上げ下げに一喜一憂するような生活が続くと、生活が株価中心になってしまい、精神的に落ち着かなくなります。
投資を専業としているならまだしも、本業を持ちながら片手間で投資している人なら尚更です。
「株価が気になって、仕事が手に付かない・・・」
これでは投資をする意味がありません。本末転倒です。
しかし、長期積立投資なら短期の株価の上下に一喜一憂せずに済みます。
10〜30年と投資し続けるので、今日明日の値動きなんて気にしてられません。
毎月積立なら時間分散ができる
どのタイミングで株を買えばいいのか?
これを当てることができれば、誰でも株で儲けることができます。
でも、実際には勝っている人より負けている人が多いのが株式市場です。
つまり、買うタイミングを当てることは相当難しいということです。
そこで、買うタイミングを当てることを辞めるという発想をします。
具体的には、毎月積立をします。
投資信託なら自動的に毎月決めた金額を銀行口座から引き落としができます。
こうして、毎月一定額を買っていけば、株価の上下を気にせず、継続して買っていけます。
時間分散しているので、大勝する可能性も減りますが、大損する可能性も減らせます。
そして、ドルコスト平均法によって、結果的には安く買える可能性が高まります。
ドルコスト平均法
毎月一定額を積み立てれば、株価が安い時にはたくさんの口数が買えます。
逆に、株価が割高な時には少ない口数だけ買うことになります。
つまり、「株価の下落=たくさん口数を買うことができる」と解釈でき、「下落=マイナス」とはならなくなるのです。
株価(基準価額)が下げていても、たくさんの口数が買えるので、ラッキーとすら思えるのです。
そして、長期投資で儲けるには、株価(基準価額)が低い時にたくさんの口数を買うということがポイントになります。
安い時にたくさん買っておけば、後で株価が上がって売る時に、そのぶん利益も大きくなるからです。
大切なことは、毎月◯万円と額を決めて、積立投資することです。
これよって、ドルコスト平均法の恩恵を受けられます。
ドルコスト平均法とは、購入単価を平準化する投資法です。
たとえば、毎月1万円を積立した場合、合計で36600口を買うことができます。
月 | 1月 | 2月 | 3月 | 合計 |
---|---|---|---|---|
株価 | 10000円 | 15000円 | 5000円 | |
投資額 | 10000円 | 10000円 | 10000円 | 30000円 |
買える口数 | 10000口 | 6600口 | 20000口 | 36600口 |
しかし、同じ株価の条件で、毎月10000口ずつ買うとすると、以下のように同じ投資額3万円で30000口しか購入できません。
月 | 1月 | 2月 | 3月 | 合計 |
---|---|---|---|---|
株価 | 10000円 | 15000円 | 5000円 | |
投資額 | 10000円 | 15000円 | 5000円 | 30000円 |
買える口数 | 10000口 | 10000口 | 10000口 | 30000口 |
ドルコスト平均法なら、「株価が高い時は少なく買い」「株価が安い時は多めに買う」という仕組みが出来上がっているので、結果的に多くの口数を買うことができるのです。
口数が多いということは、売る時にも利益確定額が増えるということです。
世界分散投資なら地球全体の成長を捉えられる
現在、世界には190カ国以上の国があります。
アメリカのように常に世界の第一線にいる国もあれば、これから成長するであろう先進国もあります。
その中から、これから株価が伸びる国を当てるのは簡単なようで難しいです。
たとえば、ゴールドマン・サックスが2001年に「BRICKs(ブリックス)」という言葉を作り、これからは「ブラジル、ロシア、インド、中国」の4カ国が伸びると言い、投資家はBRICKs銘柄に群がりましたが、今となってはインド以外の3カ国は落ち目です。
つまり、新興国だからといって、これから成長するかどうかは分からないのです。
しかし、世界のマネーは成長が見込める国に移動します。
そこで、成長する国を予測するのではなく、世界全体に丸ごと投資するという発想が合理性を帯びてきます。
世界全体に投資してれば、どの国が成長してもその恩恵を受けられます。
国への投資ではなく、地球への投資という発想です。
長期投資は将来の成長への投資
長期投資とは「経済の成長」「人類の進歩」「社会の発展」といった将来の成長を信じる投資法という側面があります。
次世代の成長を信じて、ゆっくりと時代の波に委ねる投資です。
人類から「もっと良い生活をしたい」という欲望がなくならない限り、人類は成長に向かって進み続けます。
さらに、世界の人口はどんどん増え続けていますし、今後も増えていきます。
また、過去100年ほどの世界のGDPは年間4%の成長をしています。
こうやって見ていくと、世界に長期投資することは、合理的な投資とさえ言えます。
長期投資は成長投資なのです。
「世界分散投資 x 長期積立投資」ができる低コストな投資信託
以下の投資信託に毎月定額積立をすれば、「世界分散投資 x 長期積立投資」をすることができます。
投資信託 | 設定日/ 純資産総額 |
購入時手数料 | 信託報酬 | 解約時信託財産留保額 |
---|---|---|---|---|
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド <セゾン投信> |
2007年3月15日 1067億5100万円 |
0円 | 0.69%±0.03% | 0.1% |
世界経済インデックスファンド <三井住友トラスト・アセットマネジメント> |
2009年1月16日 166億1900万円 |
0円 | 0.54% | 0.1% |
SMT グローバル株式インデックス <三井住友トラスト・アセットマネジメント> |
2008年1月16日 525億8300万円 |
0円 | 0.54% | 0.05% |
eMAXIS 全世界株式インデックス <三菱UFJ国際投信> |
2010年7月20日 56億8300万円 |
0円 | 0.65% | 0.05% |
長期投資の場合、低コストにこだわることも非常に重要です。
特に、毎年かかる信託報酬にはシビアになりたいところです。
というのも、信託報酬は長期投資の運用成果に最も影響を与えるコストだからです。
ここでは、長期の積立投資に向いている信託報酬が低いインデックスファンドのみを紹介します。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは直販投信なので、セゾン投信のHPから申込できます。
他の銘柄はネット証券なら購入時手数料が0円(ノーロード)で買うことができます。