知っておきたい豆知識

日本が法人税を引き下げる必要がある理由、法人税引き下げのメリットとは?

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日本は法人税が高い...

2015年に入ってから、日本では法人税引き下げのニュースをよく目にするようになってきました。

2015年11月の段階では、政府は法人実効税率を現在の32.11%から2016年度中に20%台に引き下げる方向で調整しているようです。

では、なぜ日本は法人税を引き下げる必要があるのでしょうか?

法人税が減った分の税収はどのように補填するのでしょうか?

今回は、「法人税を引き下げる理由」や「法人税引き下げのメリット」について説明します。

法人税が高いと日本の会社が海外へ移転、海外の会社が日本に来ない

2015年現在、日本は先進国の中には、米国に次いで2番目に法人税が高い国です。

法人税が高いということは、会社はそのぶん支払うべき税金が増え、その結果、利益も減ります。

当然ですが、近くにもっと法人税が低い国があれば、そちらで会社経営をしたいと考えます。

税金が安い国で会社を経営した方が、売上が増えなくても、利益は増えるからです。

そして、利益率は株価に影響を与える要素ともなります。

逆から見ると、法人税が高い国で会社を経営するということは、法人税が低い国のライバル企業に対して不利なポジションにいるということです。

そのため、日本の優良企業が税金の安い海外に本社を移転してしまったり、海外の優良企業が日本に入ってこないというデメリットが生まれます。

さらに、日本企業が法人税率の低い国に移転してしまうと、そのぶん日本に入ってくる税収も減ります。税収だけでなく雇用も減ります。

逆に、法人税が安い国の場合、自国の企業はそのまま残りますし、海外の優良企業が支社を置くなどして、移転してきます。

そのぶん、税収も雇用も増えるのです。

このような流れを受け、現在、世界では法人税引き下げの潮流があります。

日本もその流れに遅れないように、2016年度中に法人税の実効税率を20%台に引き下げる方向で調整しているのです。

法人税が高いと節税に対するモチベーションが過度に上がる

法人税が高い国の場合、企業は節税に躍起になります。

会社をあえて赤字にして、法人税を支払わないという節税法も実は一般的に行われていることです。

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さらに、支払う税金を減らそうと所得隠しする企業も現れます。

国税庁の2014年6月〜2015年6月の1年間の調査によると、調査した約9万5000社のうち約1万9000社が隠蔽を伴う悪質な所得隠しをしていたそうです。(前年比10.2%増)

申告漏れに関しては約7万社もあったそうです。(前年比9.6%増)

国税庁:平成26事務年度 法人税等の調査事績の概要(平成27年11月)

このように、法人税が高いと、過度な節税対策、所得隠し、申告漏れといった行為を生む原因にもなります。

それはつまり、法人税が高いと、企業の節税に対するモチベーションが過度に上がるということです。

ビジネス環境ランキングで日本は34位

世界189カ国・地域のビジネスのしやすさを順位付けした「ビジネス環境ランキング」という世界銀行が発表したランキングがあります。

最新の「2016年のビジネス環境ランキング」では、前年より4位ランキングを下げ、日本は34位でした。

ランキングが落ちた一番の原因は、「税の支払い」が121位と低かったからです。税率だけでなく、納税手続きに時間がかかるといったこともマイナス要因となったそうです。

ちなみに、「2016年のビジネス環境ランキング」トップ10は以下の通りです。

  1. シンガポール
  2. ニュージーランド
  3. デンマーク
  4. 韓国
  5. 香港
  6. 英国
  7. 米国
  8. スウェーデン
  9. ノルウェー
  10. フィンランド

世界銀行:ビジネス環境ランキング:途上国で起業や経営を容易にする改革が加速

法人税が低くなると良いことがたくさんある

日本の法人税が低くなると良いことがたくさんあります。

まず、海外の優良企業がどんどん日本に入ってくるので雇用が増えます。

雇用が増えれば、経済が安定しますし、治安も良くなります。

そして、外資系の高給取りが日本に増えれば、お金をたくさん使う人も増えますし、所得税も増えます。

さらに、レストランやデパートの客も増え、そこで働く社員の給料も増えます。

当然ですが、日本に法人税を落としてくれる会社も増えます。

法人税が低くなっても、会社が増えれば、税率が減った分をカバーできます。

さらに、法人税が低くなるということは、節税に対するモチベーションも下がります。

つまり、過度な節税対策も減少し、企業が本来力を入れるべき生産性向上などに力を注げる環境ができるということです。

消費税増税で法人税減税を補う

法人税を減税したぶんは、消費税の増税で補うと考えるのが一般的でしょう。

日本は現在、消費税8%、2017年4月には10%に増税すると言われていますが、そもそもOECD加盟国の消費税率の平均は18.9%です。

※OECD(経済協力開発機構)・・・ヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め34ヶ国の先進国が加盟する国際機関。

経済産業省:OECD(経済協力開発機構)

つまり、消費税10%でも世界と比べたらまだまだ低いのです。

今後は日本でも、法人税を下げて、消費税を上げる方向性が模索されると思われます。

ただし、消費税の増税は景気に直撃する要素でもあるので、上がるとしても少しずつ段階的に上げていくことになるでしょう。

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